フードデリバリー業界では未知の横文字が日常的に飛び交います。
- ブースト
- クエスト
- インセンティブ
これらの単語は未経験者にはちんぷんかんぷんですが、経験者には非常に魅力的なものです。
Uber Eats の『ブースト』の一例です。

Uber Eats のインセンティブ
Uber Eats の概要です。
サービス名 | Uber Eats(ウーバーイーツ) |
SNSなどでの俗称 | ウバ、乳母、姥 |
運営会社 | Uber Japan株式会社 |
母体 | Uber Technologies Inc |
公式ページ | 【ウーバーイーツ】出前&宅配の総合サイト |
公式Twitter | Uber Eats JapanのTwitter |
配達エリア | 全国47都道府県 |
加盟店舗数 | 130,000 |
エリア一覧 | Uber Eats 日本のすべての都市 |
加盟店マップ | Uber Eats 加盟店マップ |
拠点 | ※パートナーセンターは無期限休業中 |
英語の”incentive”は刺激、動機、誘因を意味します。金銭的なインセンティブはよりポピュラーに『ボーナス』と言われます。
Uber Eats などのフードデリバリーでは配達の基本報酬とチップ以外の追加報酬が『インセンティブ』です。
インセンティブは天引きされない
Uber Eats の配達パートナーはUber Eats のアルバイトや正社員ではありません。文字通りのビジネスパートナーです。稼ぎは給与でなく、売り上げ=営業利益です。
運営元のUber Eats は配達パートナーから10%の手数料を徴収します。これは配達一回ごとの基本報酬に掛ります。別名ウーバー税。
冒頭の明細では「サービス料」の54円がそうです。基本報酬542円x10%=54.2円、小数点以下カットで54円です。
一方、ブーストやクエストの追加報酬はこの手数料の計算には含まれません。100%の額面で配達パートナーの懐に入ります。
ちなみにUber Eats の加盟店の手数料は35%です。このせいでフードデリバリーの料理は店頭より3~4割ほど割り増しになります。
ブースト
インセンティブの一つ目がブーストです。下の図の青の部分ですね。倍率表示で出ます。中央の赤の部分は別種のインセンティブの「ピークタイム」です。

単純にこの青いエリア内の配達報酬が倍率で増幅します。ブーストは営業利益を底上げする絶好のチャンスです。
冒頭の明細の基本報酬は542円、ブーストは164円ですから、このときの倍率はx1.3ですね。
ブーストはピークタイムより広く長く出ます。
Uber Eats のクエスト
インセンティブの二つ目がクエストです。配達の回数で追加の報奨金が出ます。代表的なものが跨ぎクエストと雨クエストです。
跨ぎクエストはその名の通りに日を跨ぐ中長期のクエストのことです。『6月21日~6月28日までに50回の配達で追加10000円』のようなものです。
クエスト報酬は段階的に設けられます。

雨クエストは雨の日の臨時クエストのことです。
ご承知のように雨天、荒天、酷暑、極寒の日にはフードデリバリーの需要は激増します。逆に配達パートナーの供給は激減します。
ということで、より多くのパートナーを家から引っ張り出して、より長く引き留めるために雨クエストというニンジンがぶら下げられます。
それでも、雨の日の人手は通常の半分以下に落ち込みます。とくに自転車勢はめっきり減りますね。
また、配達をサボり過ぎると、クエストを消されます。復活は一定数の配達の後です。
日跨ぎクエストの初心者向けテクニックはこちらです。→日跨ぎクエストを効率的に達成する方法 出ないときの復活方法も
ピークタイム
インセンティブの三つ目がピークタイムです。これはブーストや雨クエストより限定的な臨時のインセンティブです。
さきほどのスクリーンショットをもう一度見ましょう。

中央の不定形の赤いエリアがピークタイムです。見た目からパートナー間では「シミ」と呼ばれます。
このピークタイムのシミは抜き打ちで出たり消えたりします。事前の告知はありません。
配達パートナーがシミのエリアに集まって、需要と供給のバランスが改善すると、ピークタイムはすっと消えます。割と運頼み。
大事なところはブーストとピークタイムは重複することです。ランチやディナータイムのブーストにシミのエリアにうまく突入できれば、売り上げを一気に上げられます。
幻のオンライン時間インセンティブ
オンライン時間インセンティブは時間保証制度のことです。「現場で何時間も待機したのに、まともにリクエストを受けられなかった」というときにこれが出ます。
が、この時間保障のインセンティブはUber Eats では終了しました。最近の報告例がありません。
シフト制のfoodpandaやWoltは新エリアや既存エリアの拡張区域でこの時間保証を良く出します。→foodpanda(フードパンダ)の配達パートナーの始め方とシフト予約の取り方
保証の目安はだいたい1時間で1000円です。配達してもしなくても、その場にいさえすればば、きっちり貰えます。
時間保証の参考例です。
- 配達報酬0円=保証1000円
- 配達報酬300円=保証700円
- 配達報酬1100円=保証0円
紹介インセンティブ
フードデリバリーにはお友達紹介制度があります。招待コードや招待リンクで第三者をUber Eats の配達パートナーに勧誘できれば、紹介インセンティブを貰えます。
最盛期には新規加入者向けの配達クエスト込みで8万円の超高額な追加報酬が出ました。一種のバブルです。
しかし、これもコロナの前後にすっかり弾けて、5000~20000円くらいに落ち着きました。現在、紹介料の金額はエリアで異なります。
Uber Eats の紹介料の判定基準は紹介する側の登録都市でなく、紹介される側の初回稼働都市です。
で、紹介インセンティブは紹介する側に振り込まれます。友達と後で揉めないように先に分け前の比率を決めましょう。
Uber Eats では配達パートナーの登録をするときにこの紹介コードを入力します。後から適用は基本的に不可です。→Uber Eats の紹介料 期間、金額、貰い方 紹介された側に入らない仕様は普通?
チップ
「海外のサービス従事者はチップで生活する」
この都市伝説がフードデリバリーの普及で実話となりました。Uber Eats では2020年9月にチップ機能が追加されました。今や投げ銭はフードデリバリーの標準機能です。
チップは運営からのインセンティブではありません。注文者さんからの善意の心付けです。もちろん、手数料の計算には含まれません。
チップを貰えるか否かは配達パートナーの能力・・・いや、愛想や愛嬌に寄ります。やはり、決め手は挨拶と笑顔ですね。
マッククルーのスマイルはお金になりませんが、配達パートナーのそれはお金になり得ます。
Uber Eats のインセンティブまとめ
インセンティブ=追加報酬です。これはアプリの手数料の計算から除外されます。額面が手取りです。
Uber Eats のブーストは倍率で表示され、ピークタイムより広範囲に出ます。実施の予定はドライバーアプリの「プロモーション」にあります。
クエストは配達回数で段階的にアップする追加報酬のことです。期間内により多くの配達をこなせば、10000~20000円の追加報酬を受け取れます。
跨ぎクエストは数日から一週間以内の中期クエストのことです。ガチ勢や専業勢はこれを目当てにせっせと回数をこなします。
雨クエストは雨天や荒天の臨時クエストです。現場の需要と供給のバランスを改善するために臨時で開催されます。
ピークタイムはブーストより限定的な短期間のインセンティブです。マップ上には赤いシミで表示されます。ブーストとの重複で報酬の倍々ゲームが可能です。
チップは神です。
その他のフードデリバリーのインセンティブです。