出前館の配達員の始め方 高額報酬より拠点選びが最優先

  • 老舗の日本の会社
  • フーデリ界最強の配達報酬
  • アルバイトとパートナーの共存
  • アプリは×
  • 拠点選びが重要

出前館はフードデリバリー界の異端児です。海外の新興企業が台頭するこの業界では希少な日本の会社で、しかも前世紀の1999年からサービスを続けます。

2020年にはSNSのLINE及びその母体のNAVERと提携を結び、実質的な子会社となりました。

サービス名出前館
SNSなどでの俗称缶、🥫
運営会社株式会社出前館
母体LINE
公式ページ【出前館】ピザ・弁当などの宅配デリバリーサイト
公式Twitter出前館のTwitter
配達エリア全国44都道府県
加盟店舗数95,000
拠点あり ※一部は無店舗エリア

出前館について

Uber Eats やDiDi Foodは出前の専門業者ではありません。UberやDiDiのフードデリバリー部門でしかない。本業はライドシェア、マッチングサービスです。

出前館はこれらと一線を画します。1999年に大阪の地に誕生してから、ネット出前のポータルサービスとしてやって来ました。まさに生粋の出前屋さんです。

出前一筋20年

激動のネットサービスで20年の歴史はすでに老舗の域です。実際、その他のフードデリバリーはせいぜい数年来の若造です。

Uberの前身のUbercabは2009年~ですが、フードデリバリーのUber Eats は2014年~ですし、Uber Japanは2016年~です。

もっとも、企業の歴史の短さは急成長の裏返しです。とくに2020-2021シーズンにフードデリバリーは急拡大しました、まさにどこぞのパンデミックのように。

結果、2020年春以降にDiDi Food、menu、Wolt、foodpanda、DoorDashなどが雨後の筍のようにこの狭い島国に誕生します。

日本の老舗の宅配業者

これらの新興勢力に囲まれながら、20年の大ベテランは激動のフードデリバリー市場でトップの一角に君臨します。

日本の企業の頑張りは好印象です。しかしながら、『前世紀から続く日本の老舗の宅配業者』という出前館の特徴はある種の光と影に彩られます。

配達パートナーに登録するにしても、アルバイトで働くにしても、この企業の社風を把握しないと、些細なことで違和感を抱きかねません。

実際、Uber Eats を経験してから出前館を始めると、独特の風習や規則やアプリに直面して、『日本の老舗の企業らしさ』を感じます。

以下ではそれらの要所を抑えながら、出前館の配達パートナーの登録方法や始め方を詳しく解説します。

出前館の配達員について

出前館の配達の主力は直属のアルバイトや特別提携のパートナー(ASAなど)です。シンボルマークは出前館のバッグですね。

出前館のバッグ
出前館のバッグ

他のフードデリバリーでは主力を担う業務提携の配達パートナーは出前館では後発のサブ要員です。そもそも募集が2020年からです。

直属の従業員と業務提携の配達パートナーを併用するのは大手のフードデリバリーでは出前館だけです。

ちなみにアルバイトや正社員の募集は普通に求人サイトや公式ページにあります。配達スタッフの時給は1000~1200円です。

配達員 > 配達パートナー

会社や経営者の目線では従業員は身内で仲間で家族です。福利厚生、健康保険、固定給などなどの権利を持ちます。雇用契約がそれを保証します。

一方の配達パートナーは外部の出入り業者です。提携先でこそあれ、身内や家族ではない。上記のような権利は保障されません。

さて、あなたが会社の経営者であれば、どちらを優先しますか? 当然、身内のアルバイトや正社員を重んじますね。従業員 > 出入り業者です。

もちろん、運営や拠点のスタッフはこのようなことを公言しません。しかし、態度や雰囲気でその格差は伝わります。

アナログ

出前館の配達のリクエストは拠点のオペレーターの手作業で振り分けられます。これは嘘のような本当の話です。

こういう運営システムの自動化、AI化、IT化は外資系のアプリ屋には遠く及びません。そもそものスタート地点が出前屋さんですし。

このアナログなシステムでは拠点の采配で配達リクエストの意図的なコントロールが可能です。つまり、機会の公平性が確保されない。

これは直雇用の配達員と業務提携の配達パートナーを同時に抱え、人力依存の仕組みから脱却できない出前館の特徴です。

LINEの資本と技術は今後のIT化・スマート化を期待させますが、老舗の社風や制度は一長一短では変わりません。

アプリやシステムの古さは出前館のボトムネックです。配達アプリの評価の低さがその表れです。

出前館配達アプリ
出前館配達アプリ

出前館の配達パートナー(業務委託)について

出前館のアルバイト配達員は目新しい働き方ではありません。お盆や正月の郵便局のバイトと同じです。箱の色も一緒だし。

やはり、注目はUber Eats 式の配達パートナーです。この募集は2020年5月に鳴り物入りで始まりました。コロナの影響は絶大です。

Webから申し込み

出前館との業務提携の第一歩はWeb説明会への申し込みです。その後に研修動画、本登録、審査、オンライン面談、初回稼働が続きます。

出前館の配達パートナー登録の流れ
出前館の配達パートナー登録の流れ

最初にWebから応募するときにお決まりの項目を入力します。

  • 氏名
  • 住所
  • 電場番号
  • 指定のエリア

注意点はエリアです。出前館の稼働エリアはUber Eats のように臨機応変ではありません。ここで指定した拠点で実際の配達エリアが決まります。

つまり、東京の新宿エリアで登録→大阪の中央エリアで配達のような離れ業は無理です。そもそも拠点でIDが違います。どんな会員システムだ!

複数登録は可能です。

出前館のエリア

2021年7月現在、出前館は全国44の都道府県で稼働し、うちの22エリアで配達パートナーを募集します。

出前館配達パートナー稼働エリア
出前館配達パートナー稼働エリア

出前館は前世紀から宅配出前サービスを運営します。創業年の1999年にスマートフォンはありません。携帯端末はガラケーないしPHSです。

20年の間に主要な通信手段がころころ変わります、固定電話、FAX、メール、インターネット、アプリと。

出前館はこれに柔軟に対応して、前世紀末から今日まで生き延びました。しかし、その結果、複雑怪奇なシステムに縛られて、スマート化に失敗しました。

スマホ以降の若い外資系のフードデリバリーではこんなことは起こりません。選択肢はせいぜい「AndroidかiOSか」でしょう。

出前館の仕組みではmenuやUber Eats のような無店舗型のオンライン運営は無理です。誰が現金払いの清算をするのか? 

つまり、現地の実店舗の勤務地が不可欠になります。それが『拠点』です。たいてい雑居ビルやマンションの一階にあります。

出前館 拠点
出前館 拠点

配達パートナーの登録先兼直雇用の配達員やオペレーターの待機場所です。アルバイトのスタッフはここに出勤して、ここから配達に行きます。

出前館のエリアと拠点の詳しい情報はこちらです。→出前館 配達エリア 拠点第一主義で独特の風習多し

出前館の無店舗エリアがスタート

アナログな拠点を重視する出前館がついに無店舗運営へ舵を切ります。

出前館無店舗エリア
出前館無店舗エリア

上記の新エリアには自慢の拠点がありません。登録もオンラインです。そして、何と現金払いが不可です。

ちなみに出前館のIDコードは登録拠点ごとに発行されます。既存の配達パートナーが別エリアで配達するなら、その該当拠点のIDを再発行しなければなりません。

拠点で稼働エリアが決まる

このように出前館はアナログな実店舗の拠点を重視します。これがエリアの拡大の遅さの主因です。

同じ日本発のフードデリバリーのmenuは正反対の無店舗スタイルでエリアを一気に広げて、フードデリバリー初の全国制覇を成し遂げました。

DiDi Foodやfoodpandaにも拠点があります。業務内容は登録の受付、トラブルの相談、バッグの受け渡しなどです。いわば駆け込み寺です。おしゃれ。

Foodpanda神戸
Foodpanda神戸

出前館の拠点はより直接的な影響を及ぼします。実質、配達エリアが登録拠点に拘束される。

東京登録→大阪配達のような離れ業は無理ですし、新宿登録→銀座配達のような近場の浮気も無理です。

aのエリアの配達リクエストはaの拠点でアナログ的に処理されて、aのアルバイトや配達パートナーに分配されます。aのリクエストはbの配達パートナーには行きません。

このためaとbのエリアの境目の跨ぎの配達が不安定になります。

エラーの報告例です。

  1. aエリアでリクエスト受注、料理受け取り
  2. bエリアで料理受け渡し
  3. aエリアに帰還後、ログインエラー

また、配達パートナーは当日の稼働前と稼働後に登録拠点へのLINE連絡を要求されます。これは実質的なタイムカードです。

このような独特の縛りは日本のアルバイトの常識ではありますが、フードデリバリーの常識ではありません。

おまけに大半の利用者はフランクなUber Eats を経験して、掛け持ちや乗り換えで出前館を始めます。私もそうです。相対的に縛りがきつく見えます。

それから、個々の拠点で微妙に規則や風習が異なります。謎のマイルール、奇怪なローカルルールの報告もいろいろあります。

現金払いの清算問題

出前館の現金払いの清算は定番の話題です。これがアナログの極みだ。

  • 基本:当日の営業時間に登録拠点で清算する
  • オプション:翌日15:00までに清算する、要予約

もちろん、拠点への移動時間や待ち時間は稼働時間に含まれません。実質的なサービス残業です。

これはパートナーには圧倒的に不評です。自前のシステムの不備を下請けに負担させるな、クレカへの請求かLINE PAYで清算しろよ、と。ごもっとも。

稼働前後のLINEの連絡も社内のAI推進目標か何かの無駄な押し付けにさえ思えます。システムとアプリのスマート化とアップデートは出前館の今後の重大な課題です。

とにかく出前館の拠点選びは非常に重要です。ちなみに拠点の移籍は無理ですが、複数登録は可です。拠点同士の横の繋がりがない=システムが不統一です。

もしや、個々の拠点はフランチャイズでしょうか? 

審査とオンライン面談

Web応募の次はビデオ視聴とテストです。後日、研修ビデオのリンク付きのメールが先方から届きます。

動画の内容は配達の注意点やアプリの使い方です。そして、なぜかこのビデオの視聴時間はカウントされます。

テストはビデオの内容の復習です。判断は自己採点です。

この後で書類提出と審査が入り、さらにオンライン面談があります。これは時間指定の予約制です。早めに予約を取らないと、当日に待たされます。

さらに数日後に配達員用のお得なクーポン、お友達招待コード、ログインID付きのメールが届きます。

最後に初回稼働日を指定して、登録拠点に訪問して、注意事項の説明と帽子の受け取りを行います。

オンライン研修と拠点訪問の日取りは数日から翌週以降に固定されます。Web応募から稼働までは約2週間です。出前館の手続きはフーデリ界では最も煩雑です。

出前館の配達員登録に必要なもの

フードデリバリーの提出書類は似たり寄ったりです、身分証明、電話番号、銀行口座と。が、出前館ではここに任意保険証書が加わります。

これはオートバイでは自賠責、自転車では自転車保険です。

  • 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
  • 任意保険証書(加入必須)
  • 銀行口座情報(三井住友銀行への振込は無料。それ以外への振込手数料は天引き)

自転車保険は東京や大阪では義務化しますが、地方ではまだまだ任意です。これを提出しないと、審査に通りません。

レンタサイクルやシェアサイクルで配達する場合

「任意保険証書がない!」

「そもそも配達用の自転車がない!」

「レンタサイクルやシェアサイクルは無理ですか?」

「後で自転車を買うから、先に登録だけ出来ない?!」

証書の後出しは可能です。さらにレンタサイクルの運営会社の保険の説明画面のスクリーンショットをアップロードすれば、審査にパスできます。

これはグレーな裏技でなく、出前館の公認の手法です。私もこの方法でパスしました。

出前館の配達報酬は超高額

出前館の配達報酬は固定です。

  • 関東:715円(税込)
  • 関東以外:660円(税込)

受け取りと受け渡しがセットでこの価格です。距離報酬はありません。

そもそも出前館の配達エリアは拠点で厳密に区切られます。別エリアへの長旅は構造的に起こりません。せいぜい~3kmです。

業界標準のUber Eats の基本報酬は300~400円です。新料金体系では少し減額しました。おかげで出前館の報酬の高さが際立ちます。断トツのフーデリNo1です。

現に1時間に2件の配達をこなせば、アルバイトの時給より多く稼げます。ブーストで1.2倍や1.3倍はざらです。繁忙期の一回1000円越えは出前館では珍しくない。

反面、Uber Eats やDiDi foodのような跨ぎクエストが出前館にはありません。配達回数で追加報酬が出ない。中長期の売り上げのアドバンテージは減ります。

また、出前館の配達は拠点に何かと縛られます。パートナーの稼働時間もこの営業時間に連動して11:00~21:00です。深夜の配達は物理的に無理です。

受注は早押し式

Uber Eats では配達のリクエストはAIで全自動で振り分けられます。一方、出前館は早押し式です。

アプリのイメージ図です。※出前館の規定で配達パートナーはアプリのスクリーンショットを公開できません。下手な図をお許しください。

出前館の早押しのイメージ図
出前館の早押しのイメージ図

ゲームのギルドの掲示板のようにオファーがアプリにずらっと並びます。『受』はピック時間(料理店)の希望、『届』はドロップ時間(注文者)の希望です。

このようにピックとドロップの時間が料理店と注文者の都合で先に固定されます。配達パートナーはタイミングを見極めないと、無駄な待ちぼうけを食らいます。

Uber Eats ではアプリの指示に従えば、そんなに大きな時間ロスなくピックからドロップまでこなせますが、出前では少し頭を働かせないと、配達効率を向上できません。

こういう部分を配達パートナーの個人的努力に頼るところは非常に日本的です。『旧来の内製システムに大急ぎで配達アプリを連動させました!』の雰囲気はあります。

まあ、その見返りが報酬の高さでしょう。高い金には訳があります。

帽子は必須、バッグは不要

配達パートナーの必須装備は『帽子』です。これは拠点で稼働初日の説明会で各個に貸し出しされます。

出前館のシンボルは帽子
出前館のシンボルは帽子

バッグの指定はありせんし、販売や貸与もありません。出前館の純正バッグを貰えるのは従業員か特別提携のパートナーのみです。

で、他社のデリバリーバッグや市販の保温バッグを推奨しますが、「Uber Eats のロゴを隠せ」と言われます。これは規定です。

一応、純正バッグ的なものは出前館の「仕入れ館」というECサイトにあります。が、あの赤いバッグでなく、無地のロゴなしバッグです。偽装する気満々・・・

お値段5500円、送料900円です。他社のバッグは送料込み4000円です。

出前館の配達パートナーのまとめ

出前館には従業員の配達スタッフと業務提携の配達パートナーがあります。前者は身内、後者は出入り業者です。

配達パートナーの稼働エリアは拠点に縛られます。東京で登録→大阪で配達のような離れ業は不可ですし、同県内の別エリア稼働も不可です。※複数拠点登録は可能。

オートバイでは自賠責、自転車では自転車保険の証書の提出が必要です。レンタサイクルの保険加入の画面のスクリーンショットが有効です。

現金精算、営業時間、規約、アプリなどは他のフードデリバリーより不利です。報酬の高さは個人的負担度の高さの裏返しです。

Uber Eats やその他と掛け持ちするなら、無印の市販のデリバリーバッグを買いましょう。少し軽め、小さめのものがおすすめです。

その他のフードデリバリーの始め方です。

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